高解像度・低ノイズ
超高性能サイエンティフィックカメラ CB2

またCB2 24Bは、高速撮影用途にも高い適性を示します。フル解像度（12ビット時）で74 fpsを実現し、2×2ビニングを使用すれば283 fpsまで高速化できます。多様な時間スケールでの変動を測定できるため、イオンフラックス顕微鏡、細胞運動解析、アダプティブオプティクス、スペックル干渉法、量子イオン・中性原子ダイナミクスなどに最適です。

カメラのデータ転送にはCoaXPress 2.0またはGigEインターフェースが使用可能で、非常に低いレイテンシで安定したリアルタイムデータ転送を、長距離でも実現します。CB2 24BはGigE Vision対応およびGenICam互換です。標準ではCマウントを採用し、広範なシステムへの互換性を確保しており、より大きな光学口径が必要な場合にはTFLマウントをご用意します。

オンチップ2×2ビニング

CB2の大きな特長は、sCMOSピクセルのオンチップ2×2ビニングを可能にした点です。これにより、ネイティブの2.74 µmピクセルを、sCMOSで通常想定される読出しノイズの2倍化を伴わずに5.48 µmピクセルへ変換できます。この光学的柔軟性によって、カメラの用途適応性が大幅に拡がります。たとえば蛍光顕微鏡では、2.74 µmピクセルは10～40倍などの低倍率で大型サンプルを撮影するのに理想的ですが、5.48 µmピクセルは60倍以上の高NA対物レンズを用いた高感度撮影に向いています。天文分野でも、さまざまな望遠鏡光学系への適応が容易になります。

低ダークカレントsCMOS

数秒から数分単位の露光が必要なルミネッセンスイメージングや天体観測などでは、ダークカレント（熱雑音）が主要なノイズ源となり、検出の最終限界を決定します。通常、こうした用途にはダークカレントが桁違いに低い深冷却CCDカメラが向いており、sCMOSでは読み出し速度の速さがあまり重要視されません。しかし、新たに登場したCB2 24Bは従来のsCMOSとは異なり、超低ダークカレントのセンサーと冷却機構の組み合わせにより、0.0015 e ^-/p/sの“CCD並み”のダークカレントを実現します。

高速撮影

フル解像度・12ビット時で74 fps、HDRモード（16ビット）でも37 fpsを提供し、ROI（領域設定）やピクセルビニングを組み合わせればさらに高速化できます。高解像度センサーの読み出し時間は極めて短く、CCDカメラのような読み出し時間のロスが大幅に軽減されます。天体測光などで露光間の“デッドタイム”を最小限に抑えたい場合にも有用です。

温度管理

空冷により0°Cまで冷却でき、通常のアプリケーションには十分な性能を発揮します。液冷を用いれば-20°Cまで冷却でき、ダークカレントを可能な限り低減したい長時間露光アプリケーションや、電気生理学のように振動を嫌う用途にも効果的です。

選択可能な読み出しオプション

8ビット、10ビット、12ビット、16ビットモードを選択でき、フレームレートとダイナミックレンジを用途に応じて使い分けられます。HDRモードでは16ビット幅の広いダイナミックレンジで画像情報を余すことなく取得可能です。

可変ゲイン設定

デフォルトのHighゲイン／Lowゲインに加え、アナログゲインで24 dB、デジタルゲインで最大48 dBまで微調整でき、目的に合わせて感度やダイナミックレンジを最適化できます。

マルチウィンドウおよびROI（領域設定）

必要な領域だけを選択してセンサーを切り出し、フレームレートを一層高速化できます。さらに複数のROIを設定することで、多様なアプリケーション要件に対応可能です。

コンパクト設計

CB2 24Bは大面積センサーと熱電冷却、液冷、複数のインターフェースを、極めて効率的な筐体に収めています。外形寸法は177.50 × 93 × 77.5 mm（長さ×幅×高さ）、重量は1.1 kgです。多くのイメージングシステムや検出システムに容易に組み込むことが可能です。

レンズマウント

対角19.7 mmの大型センサーを搭載するCB2 24Bは、標準でCマウントを採用し、幅広い顕微鏡や光学系に対応します。大きな光学口径が必要となる特定の用途では、ケラレを回避するためのTFLマウントもご用意します。

高速データインターフェースオプション

カメラからの大容量データ出力を支える高速インターフェースとして、CoaXPressと10 GigEをサポートします。長距離でも安定し、低レイテンシな性能を発揮します。

低温動作の検証

CB2 24Bは-40°Cの環境下でも動作確認が行われており、高所や過酷な屋外環境での観測用途にも適しています。