今回は、Wavelength References社のファイバー結合型ガスセルを用いた狭線幅DFBレーザーの波長校正を紹介します。
このガスセルには、圧力20 Torr、吸収光路5.5 cmの炭素13シアン化水素(H13CN)が含まれています。
下図は、NISTで測定されたH13CNセル(吸収光路15 cm、25 Torr)の透過スペクトル [1] です。
各吸収線の波長は環境条件に影響されず、非常に正確に知ることができます。
例えば、P2線の中心の波長は1543.80967 (18) nmです [1]。
実験セットアップ
Koheron DRV100 レーザードライバとKoheron TEC100L 温度コントローラーを使用して、下の画像のようにDFBレーザーの電流と温度をスキャンしました。
ガスセルの出力における光パワーは,Thorlabs社のPM100D パワーメーターでモニタされています。
パワーメーターのアナログ出力は、Red Pitayaボードのアナログ / デジタルコンバータで測定されます。
Red Pitayaは、シリアルペリフェラルインターフェースを介してDRV100 レーザードライバを制御します。
0〜1.8 Vの16ビットPWM信号で、Koheron TEC100L 温度コントローラーのTSETピンを介してレーザー温度を制御しています。
下図は、500電流×500温度でガスセルの出力で測定した光パワー(dBスケール)です。
3本の強い吸収線と5本の弱い吸収線が観測されました。
弱い吸収線のおかげで、3本の強い線はH13CNのスペクトルのP1、P2、P3線に対応すると言えます。