超薄型ポリイミド波長板

光回路に適した薄型の波長板

ポリイミド製で、ハンダ作業にも耐える高い耐熱性、耐薬品性に優れています。

また材料自体が通信波長での吸収を抑えた化学構造なので、光回路 (PLC) に使用するのに最適です。

特長

非常に薄く、軽くてコシがある

厚み 15µm 以下で非常に薄いですが、コシがあるため狭い溝内に立たせて設置できます。
また、軽いため駆動部分に載せて使用できます。

非常に薄く、軽くてコシがある

柔らかく、割れない自由な形状にカット可能

フィルム状のため、しなやかで、結晶タイプやガラスにサンドされたタイプのように割れません。
また、自由な形状に切ることもできます。

柔らかく、割れない自由な形状にカット可能

優れた耐熱、耐環境性

ポリイミド製の波長板なので、350 ℃以上の耐熱性と、 2000 時間の高温高湿試験にも安定した耐環境性を実現しています。

  • 耐熱性
    ガラス転移温度: > 350 ℃
    熱分解温度: 580 ℃( 5% 重量減少)
    600 ℃(10% 重量減少)
  • 耐環境性耐環境試験(高温高湿試験)(試験条件:85 ℃ × 85 % RH、2000h)
    ⇒ 合格


仕様

1/2 波長板 1/4 波長板
モデル AT-HWP AT-QWP
波長 1550 nm(通信波長帯) 1550 nm(通信波長帯)
消光比 > 25 dB 0 ±1 dB
サイズ
厚み 15 ± 2 µm 15 ± 2 µm

サイズ、厚み、対応波長はご相談の上、特注品、開発品としても対応可能です。

対応波長(実績) 1300 ~ 1569 nm
サイズ 0.25 mm × 0.25 mm ~
  • フィルムなのでカットする形状も自由自在です。孔開きはもちろん、曲線加工も可能です。
    孔の開いた波長板は、複数の光路のうち、必要な光路に波長板を一括挿入する場合に役立ちます。
    ご希望のカット形状をご相談ください。
    貼り合わせたり噛み合せたりすることで、光軸が異なる特殊波長板を作ることも可能です。

カット形状の例

カット形状の例


応用例

① AWG(Arrayed Wavelength Grating:アレイ導波路回折格子)

波長の異なる光を束ねた(多重化した)光信号を各波長信号に分離する、または合波(多重化する)機能があります。

AWG(Arrayed Wavelength Grating:アレイ導波路回折格子)

AWG の光回路は、基板の Si と導波路部分の石英の熱膨張係数の違いに起因する歪みにより、偏波に依存する波長のずれを生じます。(下図左)
そこで、回路の中央に 1/2 波長板を挿入して、偏光を入れ替える(TE ⇔ TM)ことにより、出射端では波長ずれを解消することができます。(下図右)

ポリイミド 1/2 波長板挿入前・後

② 位相変調器(PSK:Phase Shift Keying)

搬送波の各偏波の位相を変化(変調)させ、複数の情報を伝送する技術、およびデバイス。
偏波ごとに情報を乗せるため偏波制御が重要になります。

位相変調器(PSK:Phase Shift Keying)

③ WSSフロントエンドビームの偏光そろえ

WSS(波長選択スイッチ)の任意の出力ポートへの振り分けに使われる光ビーム偏向素子であるLCOS (liquid crystal on silicon) は液晶なので、光線の偏光を液晶の配向方向にそろえる必要があります。
2つの偏波成分に分離し、フロントエンドで偏波ごとに分けたビームを孔開き波長板を使って1つの偏波にそろえます。

WSSフロントエンドビームの偏光そろえ

④ アイソレータ

接続点からの戻り光を遮断する部品、故障原因となるレーザー光源などへの戻り光防止に。

アイソレータ

⑤ 偏波ビームスプリッタ(Polarizing Beamsplitter)

直交する偏波成分に光パワーを分離するデバイス。

偏波ビームスプリッタ(Polarizing Beamsplitter)


技術資料

データシート


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