NanoScan™ ナノスキャンは、スリットスキャン式のレーザービームプロファイラーです。
NanoScan システムはスリットスキャン式の優位性としてサブミクロンの測定精度、シリコン、ゲルマニウム、パイロエレクトリックディテクタを採用しており、広波長範囲に対応しています。
ソフトウェアは数多くの ISO 規格に準拠した測定に対応、M2 Wizard 機能搭載、レーザー出力測定も可能です。
製品概要
概要
NanoScan2s はハイスピード USB2.0 に対応しており、コンピューターに接続するだけで紫外から遠赤外(>100µm)の波長帯域において CW およびパルスレーザーのビームプロファイル計測が行えます。
付属の専用ソフトも一新され、ユーザー指定による表示機能も充実し、計測の精度を最大限に引き出します。
特長
NanoScan 2s はISO(国際標準化機構)標準規格 11146 に準拠したレーザービームプロファイラーで、パワーの測定も ISO13694 に準拠して行われます。
NanoScan 2s を含むNanoScan シリーズは、スリットスキャン型のビームプロファイラーで、このビーム径スキャニング技法は ISO 標準のうちの1つです。
ビーム径が数u から数cm、出力が数uW から数kW までのビームプロファイル計測可能で、多くの場合アッテネータなしでも対応しています。
ディテクタはシリコン、ゲルマニウム、パイロエレクトリックから選択でき、波長帯域は紫外から赤外領域まで計測可能です。
NanoScan 2s のデジタルコントローラーは 35dB ワイドダイナミックレンジまでの信号を 16bit でデジタル化しています。
こうしたビームプロファイル計測の精度と安定性により、ビーム径とビームポインティングを数百nm (3σ) の精度で計測することが可能です。
ソフトウェアでスキャン速度を調整し、ピークコネクト アルゴリズムにより応答繰り返し周波数10kHz 以上*1のパルスレーザーまたはパルス幅変調されたレーザーの計測が可能です。
ドラムスピードが変更できるのでどのスキャンヘッドに対してもダイナミックレンジを拡大でき、動作範囲は格段に広くなります。
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*1NanoScan 作動領域のグラフをご参照ください。
利点
- 全ての NanoScan システムが NIST とレーサブル、優れた測定精度
- 測定波長範囲:190 nm~100 µm
- カメラ応答速度 < 0.3 sec、リアルタイム更新 < 20 Hz
- Z 軸 基準面 ± 25 µm により、ウェスト位置を簡単に、正確に計測
- 安定した正確なパルスビーム測定:パルスビーム径も測定可能な上、繰返しパルス周波数も正確に測定レポート
- 最小測定ビーム径 7µm(ダイレクトビーム入射)
- プロファイル平均化およびローリング平均化により、S/N 比を向上
- NanoScan ソフトウェアのメカニカル・リニアステージを制御機能により、様々な位置でのニーム径を自動計測
- ソフトウェアに装備されている M2 Wizard で、マニュアルで M2 測定が可能
- チャート表示によるビーム位置の時間変動の観察
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ソフトウェアオプション(プロフェッショナル版):ActiveX オートメーションコマンド
(Excel VBA、LabView、Visual Basic.net. 向けオートメーション プログラム サンプル付属)
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※最小繰返周波数はビーム径とスキャン速度の関数です。
スリットがビームをスイープしてプロファイル計測を行う間に、十分な数のパルスが必要となります。
インターフェース
一新されたハードウェアに加え、NanoScan 2s はソフトウェアも改良され、全ての計測結果が1画面に表示可能です。
ソフトウェアは最大 16 の ROI を選択でき、また最大 16 のレーザービームが同時計測できます。
NanoScan 2s 専用ソフトウェアは、スタンダード版とプロフェッショナル版の2バージョンをご用意しています。
NanoScan 2s プロフェッショナル版には ActiveX オートメーション機能が含まれているので、NanoScan を OEM システムで使用でき、C++、LabView、Excel、その他の OEM ソフトウェアパッケージで、ユーザー側で独自のインターフェース画面を作ることができます。
一体型パワーメーター
シリコンまたはゲルマニウムディテクタを採用した NanoScan 2s は、最大測定出力 200mW のパワーメーター機能が統合されています。
ユーザーが使用している ISO または NIST トレーサブルのパワーメーターと対照してユーザー校正が可能です。
対照とするパワーメーターの校正精度に対して 1.5% の追加誤差内で相対値測定ができます。
広波長範囲に渡り一定の感度が得られる合成石英のアッテネータウインドウが付属します。
NanoScan 2 ディテクタの種類
NanoScan 2s には、シリコン、ゲルマニウム、パイロエレクトリックディテクタが用意されており、紫外から赤外までの波長範囲に対応します。
スキャンヘッドのアパチャ、スリットサイズ
NanoScan 2 ビームプロファイラーは、高精度測定を実現するため、何種類かのアパチャとスリットサイズからご選択頂けます。
スリット幅は測定できる最小幅と定義されます。
コンボリューションエラーのため、±3% の精度を実現するためにスリットサイズはビーム直径以下のサイズにしてください。
このような理由から、スタンダード 5µm スリットで測れる最小ビーム径は 20µm です。
20µm 以下のビームを測定する場合、最小ビーム径約 8µm で1.8µm の小さなアパーチャスリットを使用する必要があります。
スリットは非常に狭いので、最大の長さの限界は口径 3.5mm までとなります。
多くの人が誤解していますが、より狭いスリットにより計測の分解能が改善されるわけではありません。
ビームの最小サイズだけです。従って、20µm 以下のビーム計測を必要としない限り、9mm / 5µm モデルで対応できます。
大口径ビームの場合、NanoScan は 20mm または 25mm のスリットのご用意があります。
これらのセンサーは、標準スキャンヘッド(直径 100mm)より大きいです。
最も汎用性が高くフレキシブルなビームプロファイラー
最良の計測を実現するため、NanoScan 2s ビームプロファイラーには様々なスリットサイズ、口径サイズのディテクタをご用意しています。
NanoScan 2s は USB 接続に対応しています。外部コントローラーや電源は不要です。
ご希望によりローテンションマウントで垂直オペレーションに対応します。
比類ないビームプロファイル機能
最新バージョンの NanoScan 2s は、ドッグ、フローティング ウインドウ、リボンツールバーなどの GUI 機能により、小さなノート型 PC からマルチモニタのデスクトップまで、どんなサイズのディスプレイにおいても操作性に優れたソフトウェアとなっています。
ビーム計測結果
Photon Inc の社長であった John Fleischer(1989〜1996年)は、レーザービーム幅 ISO/DIN規格委員会を統括し、ISO/DIN11146 スタンダードの確立に貢献しました。
最終的に承認された規格は13ヶ国語で用意されています。
この規格はスキャニングアパチャ、可変アパチャ、エリアセンサー、ディテクタアレイを使用しながら、ビームプロファイル計測と解析を決定します。
NanoScan シリーズは、ISO/DIN11146 に準拠したスキャニングスリット方式を採用したビームプロファイラーで、スリットをとおり抜けるビームを計測して、計測結果を積分します。
測定結果
- 様々なクリップレベルでのビーム幅(1/e2 や 4σを含む)
- セントロイド位置
- ピーク位置
- 楕円率
- ガウシアンフィット
- ビーム分離 ポインティングスタビリティ
- ROI パワー(オプション)
- トータルパワー
- パルスレーザー応答繰り返し周波数
- パルスレーザー繰返し周波数
M2 ウィザード
Photonのレイリー・レンジ変換試験装置(RAL-FXT)はナノスキャン(NanoScan)のスキャンヘッド・アセンブリを移動させ、光軸上の相対位置の読みを変えることができる便利な装置です。
ユーザーの集光レンズとナノスキャン(NanoScan)のM2 ウィザードとから、レーザーの M2 値が簡単に素早く求まります。
RAL-FXT はキャリッジとデジタル・マイクロメーターをスライドさせて、ベースプレートを特長付けます。
ベースプレート(5.4×10.2×0.38 インチ)には一連の 1/4−20 の取付け穴が2インチ間隔で配置されているので、アセンブリを取り付けるのに便利です。
スライド式のキャリッジには、Photon の全てのスキャンヘッド回転マウントに共通の0.125 インチの合わせピンと 1/4−20 取付け穴があり、スキャンヘッドを6インチの範囲でスムーズに動かすことができます。
ミツトヨの再リセット機能付マイクロメーターが用いられているので、スキャンヘッド位置、移動距離が数十ミクロンの精度で正確に測定されます。
パルスレーザビームプロファイル
ナノスキャン(NanoScan)はもともと連続発振 (CW) レーザー用に開発されたものですが、パルスモードで発振するレーザーも数多くあります。
それらの計測には普通 CCD アレイ・プロファイラーが用いられます。
これは紫外や可視域の低出力レーザーには合理的な方法ですが、ビームの減衰が必要です。
しかし、紫外・可視域以外での計測用カメラは極めて高価なものとなります。
1Hz から 1000Hz の繰返し周波数の低いパルスレーザーの計測の場合、アレイ・プロファイラーに代わるものはありませんが、ナノスキャン(NanoScan)では kHz の周波数のレーザーの計測が行えます。
ナノスキャン(NanoScan)プロファイラーでは "ピーク・コネクト" アルゴリズムが用いられており、スキャン・スピードを調整することでこれらのパルス計測が可能となります。
また、ピーク・コネクト・アルゴリズムの機能を最大限活用するために実際の繰返し周波数も測定されます。
ナノスキャン(NanoScan)は Q スイッチ・レーザーやパルス幅制御(PWM)されたレーザーの計測に最適です。
近年、ピコ秒、フェムト秒パルスが様々な分野で使用されるようになりました。
これらのパルスの測定は、さらに複雑さが加わりますが、ナノスキャン(NanoScan)はやはり最適なソリューションです。
これら様々なパルスレーザーの計測については後述します。
NanoScan 2s – プロフェッショナル版
オートメーション・インターフェース
NanoScan 2s プロフェッショナル版は、ActiveXに対応しています。
オートメーションサーバーにより、VBA(Visual Basic for Applications)、C/C++、または ActiveX オートメーションをサポートしているアプリケーション(Excel/Word(Microsoft)、LabVIEW(National Instruments)によるデータを連携します。
ラインアップ
アプリケーションに最適なセンサーを各種ご用意しています。
NanoScan 2s Si/3.5/1.8
- 波長:190~1100nm
- ビームサイズ:7µm~2.3mm
- インターフェース:USB 2.0
NanoScan 2s Si/9/5
- 波長:190~1100nm
- ビームサイズ:20µm~6mm
- インターフェース:USB 2.0
NanoScan 2s Ge/3.5/1.8
- 波長:700~1800nm
- ビームサイズ:7µm~2.3mm
- インターフェース:USB 2.0
NanoScan 2s Ge/9/5
- 波長:700~1800nm
- ビームサイズ:20µm~6mm
- インターフェース:USB 2.0
NanoScan 2s Pyro/9/5
- 波長:190nm~>100µm
- ビームサイズ:20µm~6mm
- インターフェース:USB 2.0
NanoScan 2s Pyro/9/5-MIR
- 波長:900nm~5µm
- ビームサイズ:20µm~6mm
- インターフェース:USB 2.0
仕様
NanoScan 2s ビームプロファイラーとソフトウェア
NanoScan ソフトウェア 仕様
特長*1 | スタンダード版 | プロフェッショナル版 | |
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操作 | |||
ソース | スキャンヘッド選択、ゲイン、フィルター、サンプリング解像度、 オートファインド、回転、周波数、レコードモード |
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キャプチャ | 平均化、回転、拡大、CW / パルスモード、拡がり、ガウシアンフィット、 レファランスポジション、リコンピュート |
● | |
ROI | シングル、マルチ、オート、マニュアル、カラー | ● | |
プロファイル | 垂直スケール(1´、10´、100´) 対数スケール、Z & パン (オート / マニュアル) | ● | |
コンピュテーション: ISO 13694, ISO 11146 |
Dslit, (13.5%、50% クリップレベルはユーザー選択)、D4Ó、ビーム幅比率、 セントロイド位置、ピーク位置、セントロイド分割、ピーク分割、入射量、 ガウシアンフィット、楕円率、拡がり、トータルパワー、パルス周波数、%パワー |
● | |
ポインティング | セントロイドまたはピーク、アキュミュレートモード、ビームインジケータ、 グラフセンター、カラー、 |
● | |
2D/3D | 2D/3Dモード、直線または対数スケール、解像度、輪郭、固体表面、 ワイヤーフレーム、クリップレベル、カラー |
● | |
チャート | チャート選択、パラメーター選択、アパチャ選択、更新レート、開始/終了 | ● | |
ロギング | ファイル、パス/名前、区切り文字、更新レート | ● | |
M2 | レールセットアップ:Com ポートおよび長さ、接続/非接続、レールコントロール | ● | |
ビームプロファイル画面 | |||
プロファイル | 各軸に対するビームプロファイル表示、ガウシアンオーバーレイ(オプション) | ● | |
測定結果 | ユーザーが選択した測定結果の測定値と統計表示 | ● | |
ポインティング | セントロイドのXY位置または各ROIのピーク表示、 オーバーレイおよびアキュミュレートモード(オプション) |
● | |
チャート | ユーザーが選択した測定結果の測定値と統計表示 | ● | |
2D / 3D | 擬似 2D / 3D ビームプロファイルの表示 | ● | |
M2 ウィザード | 完全自動化処理としてレイリー法を用いた M2 測定 | ● | |
ファイル保存 | |||
NanoScan データファイル | ● | ||
テキストファイル | ● | ||
データログ | |||
ログファイル | ● | ||
レポート | |||
NanoScan レポート | ● | ||
オートメーション・インターフェース | |||
ActiveX オートメーションサーバー | ● |
最小システム条件 s |
対応 OS:Windows7(32/64)ノート PC またはデスクトップ *2 |
デュアルコア CPU 2GHz 以上 |
RAM 2GB *3 |
USB 2.0 ポートx 1 |
HDD 最小空き容量 250MB |
ディスプレイ解像度 1400 x 900 |
グラフィックカード、ハードウェアアクセラレータ付き |
DVD-ROM ドライブ |
Microsoft ポインティング デバイス(マウス、トラックボールなど) |
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*1NanoScan シリーズのソフトウェアおよび全ての機能について記載されている操作マニュアルは、ウェブサイトからダウンロードが可能です。
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*2ビジネス / プロフェッショナル版 Windows を推奨しています。NanoScan 2s ソフトウェアは Windows ホーム版で検証済みです。
Windows7 64bit および 32bit はサポートされています。NanoScan2s は、現在では WindowsXP 32bit で検証していません。 -
*3コンピューター メモリ(RAM)はデータレコーダ内のソフトウェアのパフォーマンスに影響を及ぼします。
NanoScan 2s 一般仕様
バス インターフェース | USB 2.0 |
---|---|
信号デジタル化 | 16 bit |
最大デジタル化クロック | 20 MHz |
最大更新レート | 20 Hz |
データ転送 | バルク転送モード |
内臓メモリ | 64 MB mDDR SDRAM |
重量 | 434 g (15.3 ounces) |
動作温度 | 0~50 °C |
湿度 | 90 %(非結露) |
スキャンヘッド寸法 | 3.03" (7.68cm) L X 2.5" (6.35cm) ⌀ |
電源(USB) | USB 2.0 バス電源 |
クロック周波数 | 300 MHz |
メモリクロック | 264 MHz |
スキャニングモータ | ブラシ付き DC、最大 4 W |
技術資料
データシート
ソフトウェア
ナノスキャンソフトウェア・スタンダード版は、NISTトレーサブルで数多くのISO規格に準拠した測定に対応します。
ナノスキャンソフトウェア・プロフェッショナル版は、NISTトレーサブルで数多くのISO規格に準拠した測定に対応します。
プロフェッショナル版は、おフィール・フォトンの全スキャニングスリットプロファイラに対応、ActiveXオートメーションにも対応しています。
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