High Purity Aperiodically polled KTP
HP-APKTP結晶は、非周期分極反転(Aperiodically polled)により、KTP結晶のポーリング構造をカスタマイズすることで、SPDC(自発的パラメトリック下方変換)プロセスの接合スペクトルを形成することができます。
この方法に基づき、標準的なPPKTP・PPLN結晶と比較して、スペクトル純度と放出される光子ペアの識別性を高め、もつれ光子源の性能向上と、高い Hong-Ou-Mandel Visibility(HOM効果の可視性) をもたらす、高純度APKTP結晶を提供しています。
仕様
Transperency Range | 350 nm - 4000 nm |
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Aperture | Typical 1 mm * 2 mm |
Absorption Coefficient | < 20 @ 1064 nm |
Length | Up to 30 mm |
Flatness | λ/6 @ 633 nm |
Perpendicularity | < 10 arc min. |
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Laser-Induced Damage Threshold |
1,500 MW/ cm2 (with coating) @1064 nm, for 10 ns pulses |
Parallelism | 20 arc sec. |
AR Coating |
Extra/Intra cavity, AR/AR, AR/HR, DBAR |
Scratch/Dig | 10/5 |
特長
- Type II結晶で、縮退SPDC出力の Ti-Sapphire レーザー(775-795nm)での励起に最適
- スペクトル純度の最大化 : 外部狭帯域フィルターなしで、テレコム波長でより高いスペクトル純度を達成
- 量子特性の向上 : システム損失を低減し、もつれ状態の純度と精度を向上
- カスタマイズ可能なジョイントスペクトル : 独自の非周期分極反転により、SPDC プロセスの接合スペクトルを形成
- 性能の向上 : 標準的な PPKTP ・ PPLN 結晶と比較して、独立したソースからの高い Hong-Ou-Mandel Visibility(HOM効果の可視性) を体験
- 空間特性の向上 : シングルモードファイバーに結合された単一光子のヘルディング効率の向上が可能
アプリケーション
SPDC(自発的パラメトリック下方変換)
SPDC(Spontaneous parametric down-conversion)は、非線形光学結晶を用いて量子相関を持つ光子対を生成するプロセスです。
より高いエネルギーと波動ベクトルを持つ1つの光子(ポンプ光)を非線形光学結晶に入射すると、結晶内部では、
より低いエネルギーと波動ベクトルを持つ2つの光子(シグナル光子とアイドラ光子)へ分裂、自発的にダウンコンバートされる非線形プロセスが起こります。
このプロセスでは、エネルギーと運動量の両方が保存されます。
周期的(および非周期的)に分極された非線形結晶(PPKTP・APPKTP)では、非線形結晶のポーリング周期を制御することにより、
生成される光子の特性を制御することができます。
SPDCプロセスは、高純度ヘラルド単一光子、相関光子、もつれ光子の生成を可能にします。
これらの光子は、量子暗号通信、スクイーズド光の生成、量子コンピューター、量子超解像検出、量子イメージングなどの様々なアプリケーションにとって重要です。
量子もつれ光子対(Entangled Photons Pairs)
量子もつれ光子対は、量子状態によって非分離的に重ね合わされた相関光子対の特殊なケースです。それらは空間的に分離しているが、非局所的にリンクしています。
【 SPDCプロセスによる光子の偏光もつれ(ベル量子状態)の生成例 】
下図は、もつれた量子ビットのペアを生成する様子を示しています。この量子状態は、2つの状態の量子重ね合わせです。
空間モード「a」における光子の水平 H 偏光を測定すると、2番目の光子の状態は空間モード「b」における垂直 V 偏光であることがわかります。
2つの光子は分離されておらず、2粒子もつれ状態における1つの光子の状態を測定すると、2番目の光子の状態が瞬時に定義されます。
効率的なもつれ光源は、量子暗号通信(QKD)、量子コンピューティング、量子計算機など、多くの重要なアプリケーションで使用することができます。
スクイーズド光
SPDC(自発的パラメトリック下方変換)は、ポンプ光を、シグナル光とアイドラ光の相関光子のペアに変換します。
これらの相関は様々な形で現れますが、その1つがスクイーズド光です。
スクイーズド光では、電界の一方の直交関数の量子不確定性が減少し(スクイーズド)、
同時にもう一方の直交関数の不確定性が増加します(アンチスクイーズドまたはストレッチド)。
相関光子
量子相関光子(光子対)は、量子光源の中心的な構成要素として使用され、様々な量子アプリケーションにおいて重要です。
物理的保存則により、SPDC過程で生成される光子は、運動量、エネルギー、到着時間といった多くの物理的要素において自然に相関を持ちます。
光子の同時到着時間は、同時計数検出によって測定することができます。
SPDCプロセスで生成される光子対は、運動量と周波数に相関があり、
異なる周波数を持つ光子対は、低周波光子を直接検出することなく量子センシングに用いることができます。
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