MFITF インピーダンステストフィクスチャ
付属の MFITF テストフィクスチャを使用することにより、最高の測定結果を取得することができます。
テストフィクスチャ とキャリアは、どちらも寄生容量や減衰を最小限に抑えるよう設計されています。
一方で、MFIA 自身は市販されているその他の テストフィクスチャやインピーダンスセットアップとも完全な互換性があります。
AUX 出力と AUX 入力は、DUT への追加の制御信号や他の計測器へのアナログフィードバックを提供および受信します。
DIO コネクターとトリガポートは、セットアップ中の他の部分との正確な同期を必要とする測定方法を可能にします。
テストフィクスチャ は、MFIA フロントパネルの LCUR、LPOT、HPOT、HCUR コネクターに直接接続されます。
BNC コネクターの間隔は、LCR メーターやインピーダンスアナライザ テストフィクスチャで確立された標準との互換性があります。
MFITF は、表面実装型デバイス(SMD)用やスルーホールコンポーネント用の低静電容量・低損失 DUT キャリアとセットになっています。
MFIA を MFITF やキャリアと併用することで、最高精度を確保します。
上図の MFITF のフロントパネルは、カスタマイズされた DUT ホルダの4つの信号接触と4つのガード接触をもたらす8ピン・コネクター(Sullins PPPC081LFBN-RC、デジキー部品番号 S7041-ND)を統合します。
キャリア / サンプルホルダ
以下の 12 PCB ベースのキャリアが MFITF と併せて提供されます。
- オープン(1個) オープン補正用
- ショート(1個) ショート補正用
- 1 kΩ 0.05% (1個) ロード補正用 0.05% 精度の 1 kΩ 負荷
- 4Pt(4個) 4端末接続付き SMD 用キャリア
- 2Pt(3個) 2端末接続付き SMD 用キャリア
- スルーホール(2個)スルーホールコンポーネント用キャリア
MFITF 仕様
この試験装置は、様々なリード型デバイスのインピーダンス評価のために設計されています。
MFITF は、幅広いインピーダンス測定範囲を実現するケルビン接触を使用します。
接触チップは、デバイスの形状によって変更することが可能です。
周波数範囲 |
DC ~ 10 MHz |
---|---|
最大電圧 |
±42 V、AC および DC |
適用可能な機器 |
MFIA、MFLI |
端末コネクター |
4端末ペア、BNC、22 mm 間隔 |
寸 法 |
8.7 x 2.7 x 4.1 cm |
重 量 |
113 g |
動作温度 |
+5°C ~ +40°C |
寄生容量 |
テストフィクスチャ/キャリア < 2 fF / < 8 fF |
DUT 接続 |
PCB キャリア、8 ピン・コネクター(Sullins PPPC081LFBN-RC) |
MF-MD オプション
マルチ復調オプションは、MFLI に拡張できます。
- 3つの追加復調器、合計4つ
- 3つの追加発振器、合計4つ
- 1つの追加外部参照 PLL、合計 2つ
例えば、4つのプローブ計測や最大4周波数のデータを同時に信号から抽出できます。
各復調器の入力とフィルターは、完全に独立しています。
このアップグレードにより、高調波を含む最大4つの任意周波数のデータを同時に信号から抽出できます。
各復調器の入力とフィルター設定は、完全に独立して設定することができます。
また、機器に第2インピーダンス測定ユニットを追加し、ユーザーが2つの周波数で同時に DUT を精査することができるようになります。
定期的に複数の周波数で測定を行う必要がある場合には、この機能によって設定を簡略化し、最高2つの要素による測定を迅速化することができます。
以下の表は、MF-MD オプションや MF-IA オプションの影響を受ける主な機能に関する簡単な概要です。
型 番 | MFLI | MFIA, MFLI + MF-IA |
MFLI + MF-MD | MFIA + MF-MD |
---|---|---|---|---|
電流入力と電圧入力の同時復調 | - | ✓ | ✓ | ✓ |
発振器数 | 1 | 1 | 4 | 4 |
復調器数 | 1 | 2 | 4 | 4 |
インピーダンスユニット数 | 0 | 1 | 0 | 2 |
外部参照数 | 1 | 1 | 2 | 2 |
記載されている機能は、周波数範囲や機器にインストールされたその他のオプションから独立したものです。
MF-DIG オプション
1つの筐体内で MFLI ロックインアンプまたは MFIA インピーダンスアナライザとデジタイザの組み合わせることにより、連続ストリーミング、領域を横断したトリガ、セグメント化されたメモリを活用して、幅広い範囲での新しい測定の機会が得られます。
2つのスコープチャネルでは、差動電圧入力や電流入力からの信号を同時に表示することができます。
LabOne API のいずれかを使用したWebインターフェースおよびプログラミングによる便利な制御が可能になります。
MF-DIG の主な特長
- FFT 機能付きデュアルトレース・オシロスコープ、16 ビット、60 MSa/s
- チャネルあたり 2.5 MSa メモリ
- 7 MHz 入力帯域幅
- 30 MHz FFT スパン、1 M ポイント
- 高解像度モード HD24
- セグメント化と連続デジタイジング
- 追加のトリガ入出力によるハードウェアトリガエンジン
- 完全な LabOne® ユーザーインターフェースとAPI統合
電圧・電流信号用低ノイズデジタイザ
MFLI ロックインアンプと MFIA インピーダンスアナライザが、ショットや連続操作などの共通のデジタイザ機能を備えた電圧・電流信号のための高性能の科学グレードの低ノイズ入力段階を組み合わせます。
入力シグナルを適切に一致させることにより、入力範囲を幅広く調節することが可能です。
MF-DIG デジタイザオプションのデジタイザ機能を使用することで、時間ドメインと周波数ドメインの両方において、その後の分析を用いて復調前に入力信号がモニタリングされ、測定されます。LabOne スコープでこのオプションを使用すると、デバッグツールから完全な機能を備えたデジタイザに変換されます。
2つのデジタイジングチャネルによって、2つの信号を同時に測定することができるようになります。
MF-DIG オプションでは、現在当社以外のベンダーでは取り扱っていないユニークな電流信号デジタイザをご利用いただけます。
高分解能のサンプリング
60 MSa/s を大幅に下回るサンプリングレートを必要とする実験では、HD24 高解像度モードで連続サンプルを平均化することにより、物理的 16 ビット垂直分解能の強化が可能になります。
平均化された連続サンプル数により、公称分解能を最大 24 ビットまで高めることができます。
オシロスコープ比較
Key features | MFLI、MFIA | MFLI / MFIA + MF-DIG オプション |
---|---|---|
スコープチャネル | 1 | 2 |
スコープのサンプリングレート | 16ビット、60 MSa/s | 16ビット、60 MSa/s |
高解像度モード HD24 | 不可、16ビットに限定 | 可、公称分解能最大 24 ビット |
スコープのサンプリングメモリ | 16 kSa | 2.5 MSa / チャネル |
デュアルトレース | なし | あり |
セグメント化メモリ | なし | あり、最大1,024 ショット |
連続収集 | なし | あり |
高解像度 FFT | なし | あり |
MF-DIG 仕様
デジタイザ操作モード
ショット / トリガ操作 | 可、60 MSa/s / チャネル |
---|---|
連続操作 | 可、ユーザインターフェースへ 117 kSa/s で転送 |
デュアル信号収集 | 可、同時に60 MSa/s にて |
入力信号 | 電圧入力、電流入力、AUX 入力 1~2、参照 / トリガ 1~2、 復調器1~4、信号出力、復調器の発振器1~4 |
最大静止画数 | 最大 1,024 |
コンピューターへのサンプル転送
ショッ ト /トリガ操作 | 3 MSa/s(USB、1GbE) |
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ユーザインターフェースへの連続操作 | 117 kSa/s(USB、1GbE) |
API への連続操作 | 3.75 MSa/s 単一チャネル(USB、1GbE) 1.9 MSa/s 2チャネル(USB、1GbE) |
アナログ入力
入力インピーダンス | 50 Ωまたは10 MΩ |
---|---|
入力カップリング | AC/DC |
入力範囲(電圧) | ±1 mV ~ ±3 V まで8段階 |
入力範囲(電流) | ±10 nA、±10 µA、±100 µA、±10 mA |
入力平坦性(電圧) | ±1 dB 2 MHz まで |
SFDR 1,5 | 75 dB(3 V、10 MΩ、500 kHz、0dB FS) |
SNR 2,5 | 69 dB(3 V、10 MΩ、500 kHz、0dB FS) |
SINAD 3,5 | 68 dB(3 V、10 MΩ、500 kHz、0dB FS) |
ENOB 4,5 | 11.1(3 V、10 MΩ、500 kHz、0dB FS) |
トリガ
トリガモード | 立ち上がりエッジトリガ、立ち下がりエッジトリガ、ゲートトリガ |
---|---|
トリガソース | チャネル、外部、発振器、演算、手動 |
トリガ信号 | 電圧入力、電流入力、AUX 入力 1~2、参照 / トリガ 1~2、 復調器 1~4、信号出力、復調器の発振器 1~4 |
トリガディレイ(プリトリガ) | 静止画長の100% まで調整可能 |
トリガディレイ(ポストトリガ) | 10 s まで調整可能 |
トリガ設定 | レベルとヒステリシス |
トリガ出力ソース | スコープ作動可能、スコープ稼働中、トリガ稼働中 |
トリガ出力 | 参照/トリガ 1~2 |
ソフトウェアトリガ | スコープトリガによる復調器サンプルの収集開始 |
外部トリガによる参照 / トリガ
トリガインピーダンス | 1 kΩ |
---|---|
トリガカップリング | DC |
トリガ入力古スケール範囲(FS) | ±5 V |
トリガ出力アンプ | 5 V TTL |
推奨コンピューター設定
プロセッサ | Intel Core i3 以上、> 2.0 GHz |
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メモリ(RAM) | 4 GB |
ストレージ | SSD または HDD |
1 デジタイザモード、信号処理なしの場合での誤りのないダイナミック範囲
2 デジタイザモード、信号処理なしの場合でのS/N比
3 デジタイザモード、信号処理なしの場合でのS/N比と歪率
4 デジタイザモード、信号処理なしの場合での有効ビット数
5 典型値
MF-MODオプション
AM / FM 変調オプションにより、最大3つの発振器周波数の位相コヒーレント線形結合を発生させることができます。
振幅変調(AM)や周波数変調(FM)など、さまざまな変調方式での(高次の)サイドバンドの直接測定は、LabOne® ユーザーインターフェースで簡単に設定できます。
タンデム復調のような従来の2重復調方式とは違って、複数の機器は必要なく、復調器の帯域幅により変調周波数が制限を受けることはありません。
MF-MOD主な特長
- 振幅変調(AM)と復調(同時)
- 周波数変調(FM)と復調(同時)
- 各周波数コンポーネント毎の調整可能なフィルター設定
- サイドバンド分離(シングルサイド変調)
- 高調波サイドバンドおよび複数キャリア周波数分析
MF-MODアップグレードと互換性
- 使用状態のままアップグレードすることが可能で、ハードウェアの変更は必要ありません
- MF-MD マルチ復調オプション機能が必要となります
- その他のすべての MF LIA、MFIA オプションと互換性があります
MF-MOD 振幅変調(AM)
振幅変調では、キャリア信号の振幅は周期的に変更(変調)されています。
大多数のアプリケーションでは、変調幅が小さく、ノイズが課題となります。
ロックインアンプで AM 信号を復元する目的は、急峻なフィルターと時間積分を利用して目的の信号を抽出することです。
AM スペクトラムは3周波数で構成されているため、MF-MOD は3つの復調器を使用して3つの周波数すべてを同時に復調し、最高の信号回復性能を提供します。
LabOne ユーザーインターフェースにより、振幅変調と復調はサポートされ、完全な制御をすることが可能です。
MF-MOD 周波数変調(FM)
周波数変調ではキャリア信号の周波数は周期的に変更(変調)されています。
変調信号はしばしば小さい信号で、それゆえノイズが課題となります。
ロックインアンプでの復調は、設定可能なフィルターにより効率よく検出できます。
機器は複数の周波数に存在する対象信号を同時に復調させることができます。
また MF-MOD オプションによりキャリア周波数と選択可能な一対の側波帯(ωc ± n * ωm)で FM 復調を行うことができます。
狭帯域での操作では、ピーク周波数偏差と変調周波数はωp/ωm << 1 の条件を満たさなければなりません。
MF-MOD のオプションはωp/ωm < 2 の制限を超えても、精度は低下するものの動作をします。
MF-MOD オプションを利用することの利点
中間信号変換なしで、バイモーダル、マルチモーダル測定用途に1つの筐体でのソリューション 設定が容易 タンデム復調では不可能な、3つの位相コヒーレント周波数構成要素のため X,Y,R と Θ を同時取得可能 変調周波数は復調バンド幅(タンデム復調)による制限なし MF-PID オプションとの一致性と外部参照によりキャリア、変調周波数は高性能 PLL や外部ソースから取得上下サイドバンドの信号を識別可能です。
MF-MOD 仕様
AM、FM 仕様
ωc、fc:キャリア周波数範囲 | 周波数 210 nHz から 500 kHz、210 nHz から 5 MHz については MF-F5M オプションが必要 |
---|---|
ωm、fm:変調周波数範囲 | 周波数 210 nHz から 500 kHz、210 nHz から 5 MHz については MF-F5M オプションが必要 |
ωs、fs:側波帯周波数 | fs < max ωc 状態でのfs = m * fc ± n * fm; |
Ac:キャリア信号振幅 | Ac < Vrange |
m、n:調波分析 | m、n = 1 から 32 |
AM 仕様
hAM:AM変調指数 | hAM = Am / Ac |
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Am:変調信号振幅 | Ac + Am < Vrange |
FM 仕様
hFM:FM 変調指数 | hFM = fp / fm |
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ωp、fp:ピーク周波数偏差複調 | fp < 2 * fm |
ωp、fp:ピーク周波数偏差変調 | fp < 12'000 * fm |
MF-PID オプション
MF-PID 主な特長
- PLL 機能を備えた4つの独立 PID コントローラー
-
複数の DUT モデル、伝達関数およびステップ応答表示、
調整可能なターゲット帯域幅を備えた LabOne PID アドバイザ - 残留 PID 誤差を最小限に抑える自動調整機能
- 最大ループフィルター帯域幅 50 kHz
- 復調器 Θ データ ±1024 π 位相アンラップ
- 微分要素用ローパスフィルター
MF-PID アップグレードと互換性
- 使用状態のままアップグレードすることが可能で、ハードウェアの変更は必要ありません
- その他のすべての MFLI、MFIA オプションと互換性があります
MF-PID アプリケーション
- レーザー周波数安定化、ファイバー雑音除去
- キャリア・エンベロープ・オフセット(CEO)安定化などの光位相ロックループ
- ケルビンプローブ、チップ保護などの高度 AFM モード
- ジャイロスコープ、共振器制御などのMEMS測定
- ナノ機構発振器
フェーズロックループ(PLL)モード
PID コントローラーの重要な用途の1つは、発振器の位相コヒーレント同期、すなわち、フェーズロックループ(PLL)です。
最もわかりやすい例では、変調された信号がロックインアンプへ提供され、 PLL が信号の周波数を回復し追跡します。
1つの PID は入力信号の位相情報を復調器の1つから受け取り、内蔵型発振器のうちの1つの周波数へフィードバックします。
この原理は逆転させることができ、例えば内蔵型発振器の良い位相ノイズ特性はレーザーシステムのような外部装置へ転送することができるということを理解しておくことが重要です。
PLL モードのオプションの位相アンラッピングは、入力範囲を ±1024π に拡張します。
これは、起動時の信頼性の高いフィードバックと、全体を通しての堅牢な動作を意味します。
PID アドバイザ、自動調整機能、自動設定値トグル
PID アドバイザ自動調整機能が経験の少ないユーザーにも制御ループ設定が簡単で便利にできるようにする一方、LabOne ツールセットは達成された性能を特徴づける全ての手段を提供します。
プロッタは時間領域での PID 誤差、PID 出力信号を視覚化、データのヒストグラムを表示します。
DAQ モジュールは PID 設定値がトグルモードで手動または自動で変更されたときにステップ応答を記録するために使用されます。
これらのステップ応答は PID アドバイザモデル関数と直接比較してパラメーターを精査することができます。
統合されたスペクトラムアナライザは制御ループ信号の周波数ドメインデータを表示して「サーボ・バム」と潜在的ノイズ源を視覚化し、スイーパーは伝達関数を明示してユーザーに全セットアップの完全な理解を与えます。
AFM チップ保護、しきい値ユニット
MF しきい値ユニットは PID コントローラーと組み合わせて使用することができます。
復調器振幅、位相値トラッキングに加えて、PID 誤差、変更、PID 出力信号をしきい値ユニットで監視することができます。
これらの信号が設定時間が調節可能な安全コリドーから離れた時には対応して装置全体へのダメージを避けることができるように論理出力信号が発信されます。
AFM アプリケーションでのチップ保護機能はこの機能がうまく利用されている典型的な例です。
MF-PID 仕様
設定 | 4 PID コントローラ、PLL 機能付き |
---|---|
PID 入力パラメータ | 復調器生成 X、Y、R、シータ、補助入力信号 1、2、補助出力信号 1 から 4 |
PID 出力パラメータ | 信号出力振幅、信号出力オフセット、内部発振器周波数、 補助出力信号 1 から 4、復調器位相オフセット |
最大 PID 帯域幅 | 50 kHz まで |
PID 最小伝播遅延 | 2.5 µs(信号入力から出力まで) |
PID アドバイザ DUTモデル |
オールパス、ローパス1次オーダ、2次オーダ、電圧制御発振器(VCO)/ レーザ装置、共振器周波数、共振器振幅、内部 PLL |
PID アドバイザー 図形表示オプション |
ボード光度、ボードフェーズ、ステップ応答、インパルス応答;閉ループ、開ループ |
設定値トグル率 | 64 mHz から 1 MHz |
PID データストリーミング | PID 誤差、PID 変更、PID 出力値は調整可能レートでストリーム、 復調器データ PID と同期させることが可能 |
PLL 周波数範囲 | 1 から 500 kHz;1 から 5 MHz では MF-F5M オプションが必要 |
PLL 帯域幅 | 50 kHz まで |
位相アンラップ範囲 | ±1024 π |
MF-F5M 周波数拡張オプション |MFIA 500k のみ|
このオプションによって、ベーシックバージョンの MFIA500k が、DC - 5 MHz 周波数幅にアップグレードできます。
このアップグレードは、ソフトウェアキーによって行うため、ハードウェアを変更したり、装置の返却は必要ありません。