LPF セッティングについて分かりやすく解説
SN 比は、ローパスフィルター(LPF)の帯域設定 + ロールオフとロックイン周波数の相対関係で決まります。
最大 SN 比を得るためには、LPF とロックイン周波数を十分離すことが必要です。
フィルター次数を上げると、ロールオフが急峻になるため、比較的近接した周波数でも高い SN 比が得られますが、1次や2次といった緩やかなロールオフを持つ場合は、LPF 帯域に対して、100 倍~10000 倍といった、高いロックイン周波数を使用しなくてはなりません。
LPF による減衰が十分でなく、フィルターの高周波数側の裾にロックイン周波数がかかる場合、測定した信号にロックイン周波数のノイズ成分が存在することになります。
1次から4次までのローパスフィルターを使用した際の、ロックイン周波数に対する、SN 比の測定結果例です。
高 SN 比を得るには、高次のローパスフィルターの使用が有効なことがわかります。
Plotter データ例
フィルター次数の違いによる、測定データの RMS ノイズの違いは、次の図のようになりま す。
フィルター次数を上げ、フィルターロールオフを急峻にすることで、同じ測定値に対して、RMS ノイズが劇的に軽減される様⼦がよくわかります
このように、ローパスフィルターの帯域設定、フィルター次数の設定、ロックイン周波数の選定の相対関係が、測定の SN 比に大きく関係してきますので、適切な設定を行うことが、ロックインアンプを使用する上で重要なポイントの1つです。