従来のビーム拡大光学システムは、調整に労力を費やし、筐体が大きく、特定の波長にのみ使えるものでした。 asphericon社のビームエキスパンダは非球面レンズを採用することで、まったく新しい可能性をもたせたビームエキスパンダです。 球面収差は補正され、大きな入力ビームサイズを実現する非結像のシステムです。 非球面オプティクスは光学システムの大きさを一般に市販される光学部品にくらべて約半分にします。
asphericon社のビームエキスパンダシステムは広い波長範囲をカバーできます。 レンズの設計波長は 355 nm、532 nm、632 nm、780 nm、1064 nm です。 時間のかかる調整作業を必要としない設計コンセプトは、高い精度と拡張性を両立させました。
仕様
- 5 種類の設計波長 [355 nm / 532 nm / 632 nm / 780 nm / 1064 nm]
- 最大入力アパーチャ 10.6~14.7 mm、最大出力アパーチャ 22.5 mm
- 3 種類の拡大率 1.5 | 1.75 | 2.0
- 5 個までビームエキスパンダを直列に結合可能、最大拡大率 32倍
- 他のビームチューニングシステムとの組み合わせは、230の光学面まで
- 回折限界の性能、個別に検査証明書をasphericon社が発行
- レーザーダメージ閾値(コーティング)12 J/cm2、100 Hz、6 ns、532 nm
寸法図(mm)
従来のビームエキスパンダ
ケプラー式望遠鏡の設計は、もっとも単純なビーム拡大システムの原理を表しています。
ここでは焦点距離の異なる 2 つの収束レンズが組み合わされています。
ビーム断面積の拡大または縮小は、焦点距離の比率によります。
光学システムの全長は、基本的に 2 つのレンズの距離によって決定されます。これは、焦点距離の合計から推定できます。
光学システムの全長は、基本的に2つのレンズの距離によって決定されます。これは、焦点距離の合計から推定できます。
ガリレオ式望遠鏡では、収束レンズが発散レンズに置き換えられ、倍率レベルを維持しつつシステム全長が短くなります。
図1 は、ケプラー式望遠鏡(a)とガリレオ式望遠鏡(b)の両方を 10 倍の倍率(V = 10)で示しています。
非球面で単一構造のasphericon社製 ビームエキスパンダ
非球面化とビーム拡大率について
古典的なビームエキスパンダシステムでは球面レンズが使用されてます。したがって、球面収差が明らかになります。
これはレンズ面の1つを非球面化することで解決できます。レンズ表面の形状は、次のように表すことができます。
このビームエキスパンダシステムは、一般に光学面の形状とレンズ距離の観点から、1 つの波長に最適化されています。
球面収差を最小限に抑えることができます。
asphericon社製 ビームエキスパンダシステムは、オプティクスを追加することで倍率レベルを柔軟に調整できます。
これは、3 つの単レンズ(収束レンズ-発散レンズ - 収束レンズ)で構成される対称ズームシステムで簡単に実行できます。
この時各倍率レベルで非結像ビームパスが確保されるように、2 つのレンズの位置が変更できるようにします。
要件によっては、このようなシステムは非常に複雑になる可能性があり、そのため、高いマウント精度が要求されます。
単一構造のビームエキスパンダシステム
メニスカスレンズという 1 つの光学要素のみで構成される単一構造のビームエキスパンダシステムは、
ガリレオ式望遠鏡と動作原理は似ていますが、わずかに異なるアプローチが採用されています。
2 つの光学表面には共通の曲率中心があります。このいわゆるゼロレンズの原理は非常に長い間知られていましたが、2 つの球面を持つ元の設計では強い球面収差を示すため、非常に小さいビーム径と非常に低い倍率にのみ適しています。
図2.(a)には、このような球面レンズのビーム経路が概略的に示されています。
図2.(b)のように光学素子の 2 つの表面いずれかを非球面化すると、球面収差を補正でき、大きなビーム径の非結像システムを実装できます。
図1. と比較すると光学特性の改善が明らかです。どちらの場合も倍率は V=2 に対応し、ビーム径に 2 倍の差があります。
このような単一構造のビームエキスパンダでは、最大達成倍率は V=2 です。 これは近軸倍率で推定されます。
ここで、n はガラスの屈折率、r は凹面の半径、d は中心の厚さです。
全長の制限のために単一構造のガリレオ式望遠鏡の倍率は比較的低いことがわかります。
これは非結像のビーム拡張システムであるため、ビーム経路で連続して直列に接続することで、入力ビームサイズを徐々に増やすことができます(図3.c)。
さまざまな拡大レベルで、省スペースでの高倍率(V=2 を使用)と、より段階的な拡大(V=1.5 と V=1.75 を使用)が可能です。
非結像の単一構造レンズのため、メニスカスレンズはビーム経路中で逆向きに配置もできます。
単一構造のビームエキスパンダを直列に使用する時、従来の光学システムよりもはるかに多くの光学面が含まれます(図3. 参照)。
さらに、各素子の第2 光学面は非球面です!つまりビーム拡大率を可変させるために非常に高いレンズ品質が必要です。
さまざまな組み合わせを可能にするための前提条件は、クリアアパーチャ全体が回折限界の要件、つまり波面エラー RMS<λ/14 よりも大幅に優れている必要があります。
調整の必要がないビームエキスパンダと呼ぶためには、中心の厚さと偏心を正確に製造した非球面レンズを理想的にマウントされた状態で出荷する必要があります。
倍率レベルの変更のためのレンズ追加作業は、素早く簡単に行えることを目指してasphericon社はビームチューニングシステムのコンセプトを開発しました。
応用分野
ビームエキスパンダは主に光学実験でレーザーの増幅や光学システムの改善のために使われます。
また航空産業・バイオテクノロジー・材料加工の研究開発でも使われ、中でも特にレーザー加工の研究には回折限界のビームエキスパンダが非常に有効です。
証明
asphericon社の非球面ビームエキスパンダには高分解能の波面センサーを使った検査証明書が同梱されます。