チューナブルレンズをレーザー加工に応用することは、スポットサイズ・安定性・再現性・寿命において最高のパフォーマンスを得ると同時に、高価なレンズの移動ステージやFシータレンズが不要になることを意味します。
優位点は次のとおりです。
- 大きなZ軸レンジ、そして大きなマーキング範囲
- 高速で正確なz軸制御を実現
- 一定で小さなスポットサイズ
- コンパクト設計で軽量なボディ
- アナログ制御にもデジタル制御のシステムにも統合可能
EL-10-42-OFは、光学フィードバックを内蔵したOptotune社のフォーカスチューナブルレンズの最上位モデルです。
広い3D範囲での高速ビームスキャンが必要になることが多いレーザー加工システムに最適です。
この焦点可変レンズは、動作波長が950-1100nmまたは、波長532nmにおいて、次の用途に使われる産業用レーザーに応用できます。
レーザーによる、マーキング・彫刻・溶接・はんだ付け・切断・アブレーション・積層造形
焦点可変レンズをはじめとするOptotune社のレーザー加工向けポートフォリオは、生産ラインやロボットアームに追加できるような、コンパクトな設計です。
2.5D レーザー加工
従来の方式では、1つの平面上でレーザーを安定的に動作させ、時折または頻繁に異なるz軸高にジャンプして加工を行いました。
この場合は、大きく低速なモータ駆動式ステージにレンズが使われています。
一方、Optotune社が提案するチューナブルレンズ EL-10-42-OFは小型なので、既存のFシータレンズの光学システムへの追加が容易です。
移動ステージを使わずとも広いZ範囲をカバーし、高速かつ柔軟な作動距離調整が可能になります。
一例として、f=160mmのFシータレンズを使用すると、Z範囲は100mmまでカバーすることができます。
2.5D加工用のEL-10-42-OFには通常アナログドライバボードがつかわれます。
EL-E-OF-Aアナログコントローラーボードは、光フィードバックと温度調整によりレンズの曲率(屈折力)を制御し、数ミリ秒で大きなZ間をジャンプできるようにします。 アナログドライバ制御について詳しくは、こちら
3D レーザー加工
真の3Dレーザー加工は、速度・z範囲・スポットの均一性を考慮しつつ妥協点を探る必要があり、特に課題となっています。
以下のように、EL-10-42-OFを使用した構成では、デジタルコントローラーが使われ、これらすべての欠点を解決し、スピード(最大6m / s)、大きなスキャンフィールドとZ範囲(最大1000 x 1000mm)、そして全域で一定のスポットサイズを実現します。
さらに、この構成ではフィールドの平坦化をEL-10-42-OF自体が行うため、Fシータレンズは必要ありません。
デジタルドライバ制御について詳しくは、こちら
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2.5D加工にも3D加工にも応用できるフォーカスチューナブルレンズEL-10-42-OF
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EL-10-42-OFとSCAPSデジタルコントローラーによる高速3Dレーザー加工
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EL-10-42-OFを使用した一定のスポットサイズの大面積マーキング(1 x 1 m)
インライン検査
液体レンズ技術に基づくインライン検査機能は、プロセスの前、最中、および後に視覚的に品質チェックが行えますので、レーザー加工の完全な自動化を可能にします。
検査のための自動焦点合わせに加えて、OptotuneのEL-16-40ベースのモジュールは、焦点深度(DFF)コントラストアルゴリズムを使用して物体間の距離を測定できます。
これにより、その距離計測から1秒未満でマーキング面の焦点距離を調整することも可能になります。
EL-16-40レンズは、レーザー光路の外側に配置できるので、レーザー出力クラスに関係なく、システムに統合できます。
出力50Wまでのレーザーならば、EL-10-42-OFレンズを加工処理とインライン検査に同時使用する構成も可能です。
この場合のインラインカメラは、単純なカメラ光学系のみを必要とします。
このアプローチは、セットアップを大幅にコンパクト化し、コストを削減するだけでなく、全体で一定のレーザースポットと一定の画像解像度を提供し、マーキングボリュームを増加させます。