HDAWG-CNT パルスカウンタは、最大8個のパルス列分析を並行して実施でき、イベントベースの測定、例えば、光電子倍増管を使用した光子検出で最大計数率 300 Mhz が可能になります。
操作には明確に4つのモードがあり、各チャネルは ±10 V のレンジで調節可能な弁別器が搭載されています。
時間領域とヒストグラム表示機能が付いたパルスカウンタによる測定結果は、LabOne® 統合ツールセットで分析が可能なため便利です。これらのカウンタ値に基づいて、HDAWG 任意波形発生器のブランチング条件を定義できるため、超高速早送りループで量子エラー修正が可能になります。
概要
HDAWG-CNT パルスカウンタオプションでは、乱散パルスの測定が可能です。HDAWG の各トリガ入力は、個別カウンタ装置に連結され、以下のモードの1つで作動します。
- 自走モード:カウンタは設定可能なタイマー時間で繰り返し作動します。各期間のはじめは、カウンタはゼロにリセットされ、終了時に、計数の累積数で戻されます。
- ゲートモード:カウンタは、トリガ入力の1つに適用されるゲート入力信号により制御されます。カウンタは、ゲート信号の上昇エッジからはじまります。終了エッジで、カウンタは停止し、計数の累積数が戻されます。
- ゲート自走モード:自走モードと同じですが、トリガ入力の1つでゲート入力信号が追加制御します。カウンタは、ゲート信号が高い場合のみ作動します。ゲート信号が低い場合は、カウンタとタイマーの両方がリセットされます。
- 時間タグモード:すべてのイベントは個別に記録され、時刻を付けて、ホストコンピューターに転送されます。
すべてのモードはバックグラウンド除去が特長で、2つの個別カウンタからの測定値を考慮されます。時間の経過とともに計数が統合される特長もあります。1GbE または USB 3.0 インターフェースにより、カウンタデータをLabOne® ツールセットを使用して分析可能なホスト PC に伝送されます。
HDAWG 任意波形発生器と組み合わせることで、 HDAWG-CNT には、量子光学で複雑なパルス実験に対応可能な高度クロストリガ機能も特長になります。カウンタはそれぞれ、AWG シーケンス内で初期化およびリセットされ、また逆に、カウンタ値は、シーケンス定義の中でトリガおよびブランチングの役割を持つ場合があります。
特長
- 4または8カウンタモジュール1
- 300 MHz 最大計数率
- 4つのモード: 自走、ゲート、ゲート自走および時間タグ
- 4または8信号入力、調節可能な弁別器レベル対応
- カンタモジュールを使用したバックグラウンド除去
- LabOne ツールセットでカウンタ測定を分析
アップグレードと互換性
- オプションは現場でアップグレード可能
- 他のすべての HDAWG オプションに対応
応用
- 量子光学
- 捕捉イオン実験
- ダイヤモンド N-V センター実験
- リン光寿命イメージング (PLIM)
機能系統図
仕様
全般事項
カウンタモジュール数 | 4 または 8 *1 |
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信号入力 | 4 または 8 SMA 入力1、32 DIO |
カウンタ値の深さ | 32 ビット (4.29 Gcount) |
最大計数率 | 300 MHz |
時間分解能 | 3.3 ns |
走行モード | 自走、ゲート、ゲート自走、時間タグ |
信号入力インピーダンス | 50 Ω / 1 kΩ |
信号入力 (弁別器) レンジ | –5 V ~ +5 V (50 Ω 入力インピーダンス) –10 V ~ +10 V (1 kΩ 入力インピーダンス) |
信号入力 (弁別器) 分解能 | < 0.4 mV |
*1 HDAWG4、4出力チャネルモデルと、HDAWG8、8出力チャネルモデルとは違います。