ほとんどのアプリケーションで適用可能な標準セットアップは、下図のセットアップ 例1 と例 2 のようになります。
本アプリケーションノートでは、代表的なアプリケーションを取り上げて、可能なセットアップと推奨されるシステム構成をご紹介します。
ビーム安定化システムはモジュール構造を採用しているため、すべての用途に対応可能です。
カスタマイズされたソリューションや個別の採用も可能です。
1.複数テーブル上でのセットアップ
レーザービームが複数のテーブル上を伝搬する場合は、ビーム安定化システムを使用して安定したビーム伝送を確実におこなうことができます。
この目的では、2 枚のミラーアクチュエーターと 2 台のディテクタを持つ標準構成が通常使われます。
アクチュエーター Aはレーザー光源に近いテーブル 1 に設置されています。
アクチュエーター Bはターゲットと距離が近い場所に設置されています。
検出器は両方とも HR ミラーの裏側に設置すると、リーク検出をおこなうことができます。
2.ファイバーカップリング
ファイバーカップリングのアプリケーションでは、ビーム安定化システムは、ビームがファイバーの最適位置と角度に常に当たることを確実にします。これにより、ファイバー出力側で安定したレーザー出力が得られます。
ビーム安定化コンポーネントのセットアップは非常にシンプルです。
アクチュエーターAはレーザー光源の向こう側の最初のミラー位置に設置します。アクチュエーターBはビームが完璧にファイバーーに当たるように設置します。将来的に簡素化するために、「アジャストイン」オプションとして、電気的にビームを微調整してファイバーに導入することもできます。
3.移動ステージ(レーザーマイクロ加工)
移動ステージあり / なしのレーザー加工では、ビーム安定化システムはすべての温度ビーム偏差と機械ビーム偏差に対して補正します。
システムは、既存のマシン設計に容易に統合可能です。
信頼性が高く堅牢な本システムは、年中無休の稼働を保証します。
「外部アクティベーション」や「サンプル & ホールド (ADDA)」などの追加機能により、産業用途にも完璧に対応します。
「広域強度検出器」を使用することで、さまざまなレーザー強度にも対応します。
4.ポンプ・プローブ実験
ポンププローブ実験の単一ビームまたは複数ビームも安定化できます。
当社の例では、ディレイライン付きのプローブビームのみが安定化されています。2 つのアクチュエーターとディテクタのペアが、ディレイステージの偏差を補正し、確実にプローブビームがターゲットに当たるようにします。
必要に応じて、2次システムを使用してポンプビームを安定化することもできます。
5.4Dディテクタのセットアップ
両方のディテクタをターゲットに近づけて設置することがより好ましい場合もあります。このアプローチでも、ビーム安定化システムを使用することが可能です。
ディテクタAはビームのポジションの安定化させます。
ディテクタBは角度偏差を識別するためにレンズの焦点位置に設置します。これによりビームの角度を安定化させます。
6.遠隔微調整
コンポーネントが届きにくいところや動くターゲットポイントを持つアプリケーションなどの安定化には、オプションの「アジャストイン」機能が推奨されます。
これは通常、4-QD の代わりに、PSD と組み合わせます。
PSD では、4-QD が 4 クオドラントの中心を使用しているのに対し、その敏感なエリアでターゲットのポジションを自由に定義できます。
「アジャスト・イン」機能を使うと、PSD 上のターゲットのポジションは電気的に選択することができます。
これにより、ビームの手動微調整することなく、ターゲットの位置を変更できます。
「アジャスト・イン」機能の詳細はマニュアル 9.2 をご確認ください。
7.オプション Sample & Hold
加工ターゲット交換時のレーザー OFF時には、DETECTORにレーザー光が入射されないため、フィードバックループ内のピエゾが位置を保持できなくなります。
その際にはこのSample & Hold オプションが有効です。
TTLのOn/Offシグナルでピエゾの位置保持を外部シグナルでコントロールできます。
また1 kHz以下の低繰り返しレーザーにも使用が推奨されています。