UHF-BOX ボックスカーアベレージャは完全デジタル化された史上初のボックスカーアベレージャで、新たな地平を開き、低いデューティサイクルでの非正弦関数信号の解析に革新的な方法をもたらしました。
高速デジタイザを発振器と同期させ、それゆえ不感時間なしで各サンプルをキャプチャし、その1方非周期信号成分を排除することが可能になりました。
LabOne® ツールセットは周期波形アナライザ(PWA)を含みますが、それは単1 もしくは複数周期の平均信号を視覚化し、信号とベースライン抑制のための平均化ウインドウを簡単に設定します。
UHF-BOX ボックスカーアベレージャはUHFLI ロックインアンプのオプションで、それぞれに1つの PWA を備えた2つの独立ボックスカーを含みます。
UHF-BOX ボックスカーアベレージャは、UHFLI ロックインアンプ の専用オプションです。
特長
- 2つのボックスカーユニット
- 600 MHz 繰り返し周波数
- ベースライン抑制
- ゼロ収集不感時間
- 2つの周期波形アナライザ(PWA)
- 512 ラインの高調波アナライザ
- ボックスカーのグラフィカル設定と基準値ウインドウ
応用
- パルスレーザー分光学
- THz 分光学
- 非同期光学サンプリング(ASOPS)
- シンクロトロン放射実験
- 電子ポンプ - プローブ実験
- パルスレーダ
- 蛍光減衰解析
- 飛行時間型質量分光学
- 超電導体磁界侵入
機能系統図
デューティサイクルの小さい信号の同期検出
ボックスカーアベレージャは、タイムドメインの関連する部分だけを切りだすことによって、デューティサイクルの小さい信号を復元するように設計されています。実際に信号が存在している平均時間とノイズのみの時間の比は10-9 ほど度の低さです。それほど極端な例でなくても、最適なS/N は単に全サンプルを平均化しただけでは得られず、全ノイズ源を効果的に遮断して初めて達成できることは明らかです。このような実験の大部分は固定周波数を持つ厳密な反復波形によって行われたもので、Zurich Instruments のボックスカーは同期検出ツールとして設計されました。すなわち、ポイントごとのトリガによる抽出には基づかず、代わりに内部もしくは外部の参照周波数を使い、計測を実際の実験の参照フレームに転送しています。ボックスカーアベレージング同期検出のためのロックイン検出としては、また計測する周波数に関係のない信号成分をすべてカットします。
周期波形アナライザ
ゲートとベースラインウインドウの便利な設定のため、周期波形アナライザ(PWA)では信号の重要な部分をカーソルで指定して、信号の平均をグラフィカル表示します。PWAはサンプリングレート 450 MHz で作動し、各入力サンプルを参照用発振器の位相に応じて1024 の利用可能なビンに関連付けます。1つもしくは複数の周期が位相もしくは時間で表示されます。信号の FFT は信号を構成する全高調波成分を表します - マルチ高調波アナライザ。このツールで、ユーザーは直ちに個々の高調波にどれだけの信号パワーがあるかを推測でき、個々の独立成分のうち最大8成分までをロックイン復調器を使って抽出できます。
ベースライン抑制
ボックスカーアベレージングは2ステップのプロセスです。最初のステップでは計測ウインドウ内の全サンプルの平均値が決定され、第2のステップでその結果の平均が、ユーザーが調整できる発振器の周期数で計算されます。ベースライン抑制により同じ抽出方法による同じサイズの第2のウインドウが定義でき、計測ウインドウ結果からその結果を減算します。これで信号のオフセットが変化しても1定の信号を得ることができます。さらに、参照周波数を実験周波数の半分に調節すれば、続く信号は例えばポンププローブ実験でのような情報の ON と OFF タイプを含み、その信号が減算されます。
マルチチャネルボックスカー
マルチチャネルボックスカーはデュアルタイムベース実験をサポートしています。これは例えばパルスレーザーが物理実験のゆっくりした変調を受ける時のセットアップ用の場合などです。マルチチャネルの作動は低周波による高速パルスのタイムビンへの計測結果に関連します。結果はデュアルタイムベースのデコンボリューション時系列です。非同期光学サンプリング(ASOPS)は、ポンププローブ実験で2つの僅かに周波数をずらした反復レーザー源が使用されるような実験の傑出した例です。ボックスカーは低いデューティサイクルの信号を最初のステップで抽出し、次いでPWAが、2つのレーザーの相対位相による結果に関連して、ボックスカーの結果を表示します。
より詳しくはUHF-BOX 製品ハイライトを参照していただき、アナログ信号処理をベースにしたオールドスクールボックスカーモデルとの差についての議論も確認してください。
仕様
オールドスクールボックスカーの特長
信号入力数 | 2 |
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ボックスカーアベレージャ数 | 2 |
入力信号帯域幅 | DC~600 MHz, 1.5 ns 立ち上がり時間(20%~80%) |
繰り返し周波数 | 外部トリガ:100 Hzから600 MHz 内部トリガ:1 Hzから600 MHz ベースライン抑制付き:450 MHz |
収集不感時間 | 0(反復レート < 450 MHz) 1.6 ns(反復レート > 450 MHz) |
入力感度範囲 | 10 mV - 1.5 V ※ |
ボックスカー利得 | 1,000,000 V/V ※ |
入力ノイズ | 4 nV/√Hz、全帯域幅にて100 µVに相当 |
積分器ゲート時間 | 555 psから1周期 |
積分器ゲート遅延 | 360度フル範囲、超高分解能 |
ボックスカーアベレージング長 | 1から1 M平均化積分結果 |
ボックスカー出力 | 平均化長あたり1から512アップデート、最大2.5 MS/s |
デジタルボックスカーの特長
入力サンプリング | 12 bit, 1.8 GS/s |
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周期波形アナライザ数 | 2 |
周期波形アナライザのデータビン | 1024 |
マルチチャンネルボックスカーのデータビン | 1024 |
高調波解析、高調波周波数同時計測 | 512 |
高級動作モード | ベースライン抑制 完全差動測定 マルチチャネルボックスカー |
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※レガシー仕様、オールドスクールボックスカーとの比較の許可に言及
アップグレードと互換性
- オプション追加購入可能
- その他の全UHFオプションとの互換性